フェスティバルのことなど・番外編の2

導 入 部
 5月の国際複合材料会議に続いて,今度は米国のワシントンD.C.で開かれた第4回日米複合材料会議のため,米国に出かける。時差に極端に弱い筆者には成田と東海岸の距離を考えるとおっくうな旅だ。頼りのわが女房殿は米国にあまり関心を示さず,「お土産を期待します」の一言。
 セラミックス部門の座長ということになっているので,いやおう無く,緑色のズックのポストンバックーつで出かける。これはヨ一ロッパに出かけた時に成田でコバシェXOを一本買った時にもらったものだ。それに今回は,オタールXOで黒い色のズックのボストンパッグをもらう。これでお土産入れの準備はできた。
 悪評高い成田は相も変らず,ごった返し,さらに所かまわず,日本人のタバコ公害がのさばっている。筆者は3回目の禁煙?をしてからもう8年経つが,タバコ公害には閉口する。

ノー・スモーキング
 途中,時差調整のためシアトルに一泊し,好奇心にまかせて「禁煙ホテル」を選ぶ。興味津々だ。入った途端,いかにもアメリカ的と言うか,豪華な内装のロビーだ。でも,おかしいぞ,テーブルの上に灰皿が置いてある。おかしいぞ。エレベータに乗せられ,なるはど,「No Smoking」の注釈が付いている三階の押しボタンをボーイが押し,趣味の良いりっぱな,本当にすばらしい部屋に通される。この位のホテルになると,例のおそろしい団体旅行にも会わないですむ。と,一人悦に入っていると,「スペシャルサービスです」ということでボーイがやってくる。支配人の名刺付で,ティバッグに入った日本茶だ。お湯があまり熱くなく,「むむっ,玉露か」。残念,おいしくない。
 時差病のせいか,どうも眠れない。折角「禁煙ホテル」に泊ったのだからと,…好奇心にまかせて,また,各階を行ったり来たり,匂いを嗅いでまわったが,御婦人のどぎつい香水のおかげでタバコの臭いが分からない。こうして,午後二時より深夜まで一歩も外へ出ず,私めは「禁煙ホテル」を闊歩したのでした。翌朝,食欲が無かったが,食べなきゃいけないということで,無理をしてコンチネンタルのルームサービス。宿泊と朝食でしめて227.3ドル。シアトルで227.3ドルですよ。無理をして詰め込んだお腹のもう少し上,懐にずしんときたのでした。ハイ。参考のため,「三階のみ禁煙ホテル」の名前はフォーシーズン・オリンピックホテルでした。

オリンピック
 ニューヨークからの帰りにソウルに寄ってみた。ビザなしで5日間?滞在できる。韓国のオリンピックが近いせいか,日本ではテレビ,書籍,旅行案内など大変な韓国ブームだ。色々と言い尽くされているようなので,ここは是非,「フェスティバルのことなど流」言い方をしなくてはなるまい。「艶歌の日本,怨歌の韓国」。これでどうでしょうか?さらに言うと,「近くて,遠い国」。
 「近くて,遠い国」の失敗談をあげよう。 KTB(大韓旅行社)の日本語通訳嬢に「スイ・ユー・レイターって韓国語でなんて言うんですか?」と聞いたところ,不可解な顔をする。2,3回やりとりがあった後,「Oh,See you later」「タ(ト)ーマンナーヨ,と言います」ときた。そうなんです。東洋人と言っても,通訳嬢であっても,いや,通訳嬢だからこそ,日本式発音の「スイ・ユー・レィター」じゃ駄目で,つまり,どこの国の言葉かわからない和製英語は混乱のもとで,イントネーションも含めて.はっきりと,「See you later」と英語で言わなければならないのです。良い勉強になりました。とっても。
 ところで,御存知のイテウォン(梨泰院)のブランドコピー製品.「売る方も買う方も陽気なところが救われる」というお方がいらっしゃいますが,「救われる」などと言っちゃいけない,どう言い逃れをしてもバツである。

アメリカ富士
 シアトルからの日帰りツァでレイニ国立公園へ出かける。筆者はアメリカ人やカナダ人のグループに入ったが,やはり,レイニ山で数人の日本人グループに出くわす。本当に富士山に似ていて,日本人に人気のあるツァだというのはうなずける。ところで,筆者は何度外国に行っても機中から富士山の見え席ではなく,いつも反対側の席に座ってしまい,富士山を空から眺めたことが無い。「日本に帰ってきたぞ」と実感が湧くらしいが,年内に挑戦してみよう。
 例の禁煙ホテルで一緒だった隣の話好きのおばさんは,自分は会社のオーナーで,全てを忘れるために禁煙ホテルに泊り,さらに,電話もボーイのサービスも何も無い,とにかく人と会わなくても良いホテルがハワイで一番料金の高いホテルなのだ等々,長々と説明する。そうありたいと思うこちらの気持は関係ないらしい。
 リタイアしたら負けで,赤シャツを着て若さを保たなければならない国,そして巨大な消費エネルギーを軸にした国,米国。神話の無い国,アメリカ。つまり人間が全てを創った国だと考えている,ある意味では人工国家であるアメリカはその存在自体がもう文明であろう。しかし,何事も効率良く,お金に変えてしまうハーバード流に限界が見えていると言う。そして,逆比例するかの様に,名声と自己陶酔に向かう英雄を待っているという。このあたりのことはよくわからない。ただ個人的には,日本はこの巨大な文明とは本質的になじまないと考えているが,あるいはそう願っているが,世界を席巻する文明国家というより文化国家を目指す国家でありたい。
 日本人のユニークさを揶揄(やゆ)する人々もいるが,狭い経験であるが,多くの国々で会う日本を知る人々は,特に若い人々は,ある種のあこがれすら持っていると思う。“隠遁の哲学を支えに「寺小屋」に泣き,「近松」の不条理や情念に酔い,「玉男」の操る文楽人形に気品と美の極致を感ずるのである。”と言ったら衒学的かつ言い過ぎかな?ふとした表情ややさしさなどの日常的な立ち居振る舞い,そしてアニメ,漫画,…等々,日本人に生まれてよかった。
 それにしても神話の無い国というのはどこへさまよって行くのだろう。富士山?を見たせいか,ティバッグ緑茶のせいか,はたまたフランスの文化の極致オタールXOのせいか,もう,妻,いや国が恋しい。

赤シャツ
 赤シャツは筆者も好きだが,最近はイタリアかぶれで紫色のシャツだ。会議でノーネクタイは君だけだと言われるが,正直に言うとミラ・ショーンのダブルフェースタイやサー・ノーマンハートレーのクラヴァット,…,やめよう。
 ところで,英王室のデザイナーであった今は亡きサー・ノーマンハートレーのアシスタント,鳥丸軍雪氏がダイアナ妃のデザイナーとして話題になっているが,氏によるとダイアナ妃は王室の義務を意識し,プロモーションを意識しているので公平に多くのデザイナーのものを着るという。これには,英国のエリザベス女王がフランスの少女との謁見で少女に英語で「How do you do?」と言われたが,エリザベス女王には,この英語が分らなかったというジョークがあるが…?私の文章力が稚拙なので,あるいは理解していただけないかもしれませんので,野暮を承知の助で,「説明させてください」。英国女王は,いつもご機嫌麗しくしていなければならないので,「ご機嫌いかがですか?という英語」は無いのである。現女王はファッションにあまり関心が無い御様子で,むしろ,パリジュンヌに英国ファッションを認識させたというクィーズマザーのおしゃれが有名であるが,筆者は大戦後.初めて我が国をご訪問なさったというプリンセス・アレキサンダーの自然流が好みです。

ワシントン流
 会議の会場となるランファン・プラザホテルで前日,スライドを映す等のリハーサルをやっている時,米国複合材科学会の会長自ら電気を消す等,良く働く人達だ。努力,労働を美徳とするアメリカの一面を感ずる。
 所定の手続を済ませ,30分間レセプションに参加した後,スミソニアン博物館の一つ,フリーア美術館の公衆電話で3時間前に予約したアメリカン・シアター・バレエを観に出掛ける。バリシニコフの演出でドン・キホーテときたら観ないわけにはいかない。ラストシーンで舞台と観客を遮る垂れ幕をライティングの技術でスクリーンとして利用し,風車の回転している様子を映し出す等,新しい演出が随所に見られ,ヨーロッパのそれとは趣きを異にする楽しいバレエであった。ケネディセンターもこじんまりした品の良い建物で,ワシントン流を感じさせる。

ボストン
 アメリカで,白人 (White) ,アングロ・サクソン系民族 (Anglo-Saxon) ,プロテスタント (Protestant) の3つの社会的属性を満たしているエリート層をその頭文字を取ってWASP(ワスプ)ということはご存知であろう。ここボストンは,その地元らしくこれはもう英国だ。ふと懐かしくなってB&Bに泊ってみる。ゲストハウスのおばさんの対応,部屋の趣味,英国だ。二言,三言。表現はちょっと違うが,ついつい懐かしくなり,甘えて「今日のシンフォニーホールの出し物,教えてください」。「貴方の国のセイジ(小澤征爾のこと)はいないが,ポップスなら」。最高。当日券は予約できないということで,街に出かける。これがアメリカか?どうしてもヨ一ロッパを感じてしまう。「ゲストハウスに泊ったから,予定より70ドルは浮くぞ」ということで,バーゲンセールで140ドルのJ&Mの靴を一足奮発してしまった。ついでに,筆者が郷愁を感じる北海道はエリモ町とほぼ同緯度の港町とあって,せっせと貝を口に運んだ。最近,アワビの生態研究に凝って,貝頬はとんと口にしていないせいか,今日は食べ過ぎたようだ。ポップスいやゲップがでて困った。

ボストン・ポップス
 ワルターだ,パーンスタィンだと言われていたマーラーの曲を日本流に料理する(指揮する)小澤征爾の心技にしびれて以来,一度,地元のシンフォニーホールで聴いてみたかったが,シンフォニーホールはジョン・ウィリアムス指揮の第108回ボストン・ポップスのシーズンだ。「一人でボストン・ポップスを聴く時は二階以上にしなさい」と,ゲストハウスのおばさんが教えてくれた。やっぱり…。想像していたように,一階は一つのテーブルに4人掛けで,ワインやら,カクテルやらビールやら,スナックやら,演奏が始まろうが何が起ころうが,楽しくやっている。ウエイターやウェイトレスがせわしなく働いている。ビシッときめこんだ田舎臭い若い奴,隣の女性が美人のせいか,ずっと気になっていたが,最後まで,舞台の方を観ていない。私は,こういうのが好きなんだが,でも,プレイヤーも聴衆もいっしょに楽しむのが,ボストン流らしい。英語の不得手な筆者にとっては舞台からの声が聞き取りにくいが,この日はさらにマイクが故障していて大変だ。
 指揮者のジョン・ウィリアムスが何かを言って退場した後,ちょっと太めの指挿者が現れた。指揮棒を挙げる前にポルカがはじまり,何やらのってきた感じだ。太め指揮者が悪ノリ?したのか,色っぽく腰を動かし始めた。どうも変だ。隣のノリ過ぎているおばさんには悪いが,大声で?尋ねたところ,ここのボスの息子が指揮しているとのこと。さもありなん。と,思っているうちに全員,大拍手に変り,騒然としたスキに舞台中央に米国国旗が下りてくる。もう,やんやの喝才。恐れ入りました。

メトロポリタン・オペラハウス
 6月30日。この時期メトロポリタン歌劇場(Metropolitan Opera House)は日本,韓国へと公演旅行中で,むしろ皆さんの方が講演を楽しむチャンスがあったわけで,地元に来たのに筆者は残念ながらチャンスが無い。ところが.すごいのがあったんですよ。何と,今日のMETはルドルフ・ヌレエフ率いるパリ・オペラ・バレエだったんです。
 メトロポリタン・オペラハウスは現在建設中の3つの公演ができるパリの新しい建物(オペラハウス)と同じく,外見は無駄な装飾が無く,内部は美しいオペラハウスであるが,華麗なパリ・オペラ・バレエの踊りとは観客の雰囲気も含めて劇場全体の雰囲気とちょっと違和感を感じた。世界一客の質が高いと言っている観客の雰囲気のせいだろうか?感情表現が実にオープンだ。
 先入観は無いつもりだが.いつも米国に対して感ずるものと同じだ。米国に来ると,英国仕込み,ミラノ仕込み,パリ仕込み風に著飾っても,何か異質の雰開気をいつも感じてしまう。ヨーロッパの古都は美しく.芸術的な香りがするが,ここニューヨークは人種のるつぼ,雑踏,人工的,巨大な消費エネルギー等々,これ事態がある意味では文明と言えるのではないだろうか。フランス人のピアニストがベートーベンの曲を弾くと何となくイメージが違った曲に感じてしまうが,それとも違う。筆者の友人の音楽マニアは.「そういう点,根無し草の日本人は文化の通訳者であって,どんなものでもこなしてしまう」と言うが,半分は当っている気がするが,半分はどうも。
 出し物はカール・チェルニー音楽の「エチュード(Etudes)」,グスタフ・マーラー音楽の「歩行者の唄(Song of the Wayfarer)」など4つだ。3つ目の出し物の時,客席がざわめき始めた。隣りの席に座っている美女は「ファンタスティック!」の連発だ。何か随分,東洋的だなと思って聞いていると,マーラーだ。モーリス・ベジャールの振り付けは,日本のものでは忠臣蔵がお馴染みだが,ここ米国でも大変な人気だ。ハイエストクラスだそうだ。

メトロポリタン・オペラ・ハウス (Metropolitan Opera House)
メトロポリタン・オペラ・ハウスのチケットが入っていた袋。予約者の名前が書かれていた
チケット
ニューヨーク・シティ・オペラ
ニューヨーク・シティ・オペラ

ハイエストクラス
 ホテルのフロントで「カーネギー・ホールは何処ですか?」と聞いた所,「日本クラブのすぐ近く」とか「スタインウェイのすぐ近く」と言って要領を得ない。「ジョークを言っているのかな」と,勝手に思い込んで,仕方なく,入口のドアを修理していた労働者に聞いたところ,「I am working」と言われる。実にアメリカ的だなと感心し,反省していると,件の労働者,彼の作業が一段落ついたところで前を指差す。あったんです。筆者の泊ったホテルから歩いて30秒の所に。これじゃあね。すぐ斜め向いにある建物の場所を変な日本人に聞かれては,聞かれる方はからかわれていると思うのももっともだ。窓口で「ハイエストクラス,プリーズ」と,チケットー枚を求める。ハイエストクラスで5ドルとずいぶん安い。でも,確かにカーネギー・ホールだ。おかしいな?

カーネギー・ホール
 第一回ニューヨーク国際フェスティパルの一つとして,JVCジャズフェスティバルが6月30日から7月2日まで行なわれたが,2日目のバディリッチバンドを楽しんだ。日本で,「イパネマの娘」で爆発的人気を呼んだスタンゲッツもゲスト出演だ。なかなか美しい内部の装飾だと感心しながら案内嬢にシートの場所を聞いた所,どうも要領を得ない。ハイエストクラスなのにおかしいぞ?「この席は本当にハイエストクラスですか?」と初老の紳士に聞いた所,片目をつぶって「そうだ」と言いながら.天井を指差す。そうか,確かにこの席は一番上の方でハイエストクラスだ。よいしょ,よいしょ。洋の東西を問わず,例によって,大向うの席はマニアが多く,大騒ぎ。楽しかったです,ハイ。「騒ぐなんて,エチケットを知らないな」なんて難しい話はお許しください。

ミッドタウン、セントラルパークのすぐ南に位置するカーネギーホール
カーネギーホールで行われた JVC JAZZ FESTIVALのチケット

エチケット
 カーネギー・ホールで貰ったステージビルの後ろのページに.「コンサートエチケット」がこと細やかに書いてありました。「しゃべるな」,「唄うな」,「キャンディの包み紙」,「財布の開閉」,「退屈になった時のため息」,…,等々,思い当ることがありますね。それにしてもドライですね。

ドライな国にドライビール
 ニューヨークで読んだ新聞によると.米国のビール消費量の5%にしか満たない外国ビールの中で,最近,気をはいているのがドライビールだそうだ。「ドライ」という米国的感覚,知性的な語感,アルコール分の多さが受けているとのことで,タバコを吸わない知識層に人気があるそうな。もっとも,米国ではタバコの害よりも酒の害の方が多いとか。あのビ-ルは麦の昧がしなくあまり好きになれないが,日本的感覚,非知性的なせいかな?
 正直に言うと,筆者は今のところ,カルスベルグのファンでして,凝り性のせいか,コペンハーゲンまで行ったんですよ。昨年から東京にもお目見えしていますが,どうも味が微妙に違う。最も本家に近い味は,「なんとっ,驚いたことに」と言ったら失礼かも知れませんが,モスクワのシェレメチェボ第2空港近くの24時間バーでした。

ルーシァン・ティ・ルーム
 カーネギー・ホールの隣は御存知ルーシァン・ティ・ルーム。今回,メトロポリタン・オペラハウスにパリ・オペラ・バレエを率いて来たルドルフ・ヌレエフがこよなく愛する場所だ。ワイン愛好家で有名な彼が唯一,モスコウ・ムールを飲み,鳥,いや,ここは一つ上品にcotelette de volailleを食する所だそうです。お試しあれ。ルーシアン・ティ・ルームに故郷を感じると何かに書いてあったが,彼は確かタタール人であり,何となくアジアを感じさせる演出に共感をおぼえる。アジアが出てきたせいか,はたまたモスコウ・ムールのせいか,私めはドプロクを何故か連想しました。

ルーシアン・ティ・ルーム

ドプロク大学
 ソウルでは,地方出身者が多く質素な高麗大学は別名マッコリ(韓国のドブロク)と言われ,なぜか,早稲田風であると言う。どうする早稲田?それに対して,延世大学は日本で言えば,慶応大学風であると言う。どう違うのでしょうか?

JUKUスクール
 65年秋の開校を目指した慶応ニューヨーク高校が話題になっていた。好むと好まざるとにかかわらず,いよいよ本格的な国際時代に入って行くようだ。文化や文明の均質化,普遍化,大衆化が進み,巨大なエネルギーとなって翻弄される時代が来るのであろうか?
 あるいは,いわゆる日本式で外国人の横目をよそに,突っ走るのであろうか?鼻濁音を発音できず,30秒と待たないで日本語を間違え,英語がうまいとされるキーマン(キーウーマン?)やアナウンサーが増えるのであろうか?
 慶応ニューヨーク高校をターゲットにしているわけではないが,ここニューヨークもいよいよ日本の塾が本格化してきたと言う。3年前に開校したHは200人の生徒,Kも100人を越えるという。すごいことになっているというか…。ところで,どうしているかな,我が田舎の未塾児たちは?

田舎者の会
 朝,8時30分,ホテル近くの公園,セントラルパークを恐る恐る歩いてメトロポリタン美術館へ行った時の話。一度聞いてみたかったが,何処の美術館でも出来なかったことを米国という気やすさ?に甘えて23才の青年に聞いてみた。その結果,彼,つまり,美術館のガードマンの年収は約17,000US$だそうで,火曜日のようにいつもより3時間延長して,9時半から20時45分まで美術館が開いている時は残業として,「One hour,double time」の手当がつくそうです。世界中の美術館を聞いて歩いたら面白いでしょうね?私と「田舎者の会」でもつくってやってみませんか?

メトロポリタン美術館

コメリカン
 アメリカに住む韓国人のことをKorean American,約してKomericanと言うのだそうだが,ニューヨークにはこのコメリカンが日本人の5倍にあたる約20万人いるそうだ。もっとも.米国在住の韓国人は100万人を越えているのだから驚くには当らないかも知れないが,大変な数だ。逆に,韓国に住む日本人は3,000人弱,長期滞在ビザは2,000人というから台湾の半分以下で,韓国と日本の距離を考えれば.やはり,「近くて遠い国」なのかも知れない。面白いことに,アメリカ人は日本経済の東京集中を知りつつも,韓国は関西とつながりやすいと見ていることだ。日本文化の構成要素と筆者が考える間(ま)と際(きわ)の心を持つという間際人?の出番は近いとみるが,いかがですか。